雪や水、日照時間による自然環境説や、中国・モンゴルなどアジアの他民族との混血説、さらには世界で最も美人種といわれるコーカサス人との混血もあったのではないかなどと言われていますが、はっきりとは解明されておらず、実は謎に包まれたままなのです。
[自然環境説]
冬場の降雪により日照時間が少なく、また湿気が高いことは肌の艶やかさにとって非常に良いことです。冬期の湿度を東京と比較すると、秋田の約75%に対して東京では約50%と大きい開きがあります。日照時間が少ないことは、紫外線による肌への影響も減り、美肌へ有効といえるのです。
また、八幡平麓に泉源を持つ玉川温泉の、極めて高い酸性で、かつ、豊富な湯が下流の雄物川流域に流れてその酸性の湯が肌を白くしたとの説もあります。昔と比べて現在では多少中性に近づいているものの依然と酸性を示していますが、専門家の間ではこの関連ははっきりしていません。
[食べ物との関連説]
秋田では古くから、麹を使用した自家製の味噌や漬物を食す習慣があります。麹には脂質と蛋白質からなる複合蛋白質が多く含まれているため、肌を滑らかにする効果があると言われています。
[白人を含む多様な人種との混血説]
腎臓に存在するJCVというウイルスの型は人種の成り立ちを示すといわれますが、東大泌尿器科の北村教授の調査によると、東日本は韓国や南米にみられるMY亜型が多く、西日本には東アジア特有のCY亜型が分布しており、それに対して秋田市には国内にほとんど無い白人特有のEU亜型が17%も見つかったという結果が出ています。また、血液型も白人に多いB型の割合が日本一ということには驚きです。
医学的にもこの混血説は真実味を帯びてきますが、実は歴史的にも裏付けられる説があります。日本古代史および東北地方史を専門領域とする歴史家の新野直吉文学博士の著書によると、渤海(7〜10世紀、現在の中国東北部からロシア沿海州に存在)から公的使節が出羽の国(現在の秋田県)に13回も来ており、渤海人など大陸人との混血が繰り返されたのではないかと言われています。また、江戸時代の文献にも、ロシア人が漂着しそのまま移住したという記述があるようです。
さらには、秋田原産で知られる秋田犬が、ヨーロッパ犬と同じ血液型を持つという事実にもこの混血説に関連があります。
秋田犬と北海道犬は、他の日本犬とは全く別の血液型を持っているといい、日本犬の多くとアジア犬は「A・G」型ですが秋田犬と北海道犬はヨーロッパ犬と同様に「A」型しか持たないのだそうです。
動物の中でも犬は、最も人間の生活に密着してきました。東京大学の山川民夫名誉教授によると、秋田犬がヨーロッパ犬と同じ血液型を持つということは、遥か昔に犬と同時にヨーロッパ系民族がやってきた可能性があると言います。
また、東京大学の余郷嘉明助教授が人の体内にあるヒトポリオーマウイルスの調査を世界34ヶ国で行ったところ、ヨーロッパに集中しているEUタイプのウイルスが東北地方日本海側の秋田中心で見つかったという結果が出ています。このことからも、ヨーロッパ人を形成したコーカソイドの集団が日本人の形成に関与した可能性もあるといえるようです。
[水戸・京都からの美人移住説]
慶長7年(1602)に、徳川家康から出羽に国替の命を受け、常陸の佐竹義宣が秋田に入りました。その時に水戸の美人を連れてきたことが秋田美人の誕生に貢献したという見方もありますが、当時移住した人数は、領民の約30万に対してせいぜい1%程度と考えられ、真相は定かではありません。
また、藩政時代に鉱山産業が栄えた頃、西廻り航路によって京都とつながっていて、京文化とともに京美人が来たという説もあります。
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