この人に聞く
   
第1回目は天寿酒造(株)の佐藤俊二杜氏です。
平成15酒造年度全国新酒鑑評会の金賞受賞を始め、最近秋田県の杜氏の中では活躍している若手の筆頭です。
冬ソナのヨン様に似ていると一部の評判があり、今後「ヨン様似の杜氏」として人気が出そうです。

佐藤俊二 プロフィール

生年月日 :昭和39年1月23日
受賞暦 全国新酒鑑評会 金賞
(平成15、16年)

現在 天寿酒造株式会社 杜氏 (平成14年秋就任)

・ホームページ
 http://www.tenju.co.jp

・E-mail
  tenju@chokai.ne.jp

Q 今年の天寿の造りは?
佐藤杜氏:
一言で言うと「酒造り、今年もおもしろい」ですね。
特別、目新しい事に取り組んでいる訳ではありませんけれど、原点を見直し「理想とは?」を考え、精度を高める取り組みを常に行っていますから。
例えば、米を研ぐという事。当たり前の事ですが奥が深いですよね。
何故米を研ぐのか?
どの様に研ぐのか?
良い研ぎ方とは?
何を以って良しと評価するのか?
この様なことを蔵人全員で真剣に討論します。
そこで出てきたアイデアを一つひとつ実行したり、そのための小道具を造ったりします。
良い事はさらに改良を検討し、ダメな物はすぐやめます。
実行しないのに推測で終わらせる事の無いように心がけています。
合い言葉は「へば、やってみるべ!」で、何事もトライ、挑戦の連続です。
これを蔵中全てで行う訳ですから、蔵人同士会話も弾みますし、又次のアイデアが吹き出して来ます。
そして実行してみる。
検証してみる。
次のアイデアが....etc
この様な感じで日々を過ごしていますので、天寿の酒造りは日々「おもしろい」んです。
近年は純米酒、純米吟醸酒、吟醸酒の需要が多く、これらに細かな工夫を取り入れレベルアップを図って行きます。
蔵人全員が「ええ酒」目指しているのが良い感じですね。

Q 米の出来栄えについてはどうですか?

佐藤杜氏:
私が酒米の美山錦を栽培し始めて今年で14年経過しました。
毎年、毎年気象条件が異なるので栽培の難しさを感じていますが、今年は台風の影響を目の当たりにしていますので随分心配しました。
台風による塩害を受けた方は本当にお気の毒でした。
幸い、私どもの矢島町ではその影響もなく、倒伏も無くほぼ平年並みの収穫量を確保出来ました。品質的には米の充実が良く、特に昨年から栽培を始めた「秋田酒こまち」は魅とれる位「美人?」な米に仕上がっています。今年の秋田酒こまちで造った酒に注目したいと思っています。
この様に天寿が使用する酒米は私をはじめ、蔵人が自ら栽培する量が大部分を占めている為、品質も収量も安定していますので、毎年確保に心配はありません。
又、今年の様な原料米の確保が難しい年につくづく有難く思うことは、「自社で使う米は自社で確保する」と、いう理念を掲げ「天寿酒米研究会」を立ち上げた蔵元の酒造りに対する強い「思い」です。
20年も前から取り組みを始めたおかげで、現在は安定した仕組みとなって機能していますが、昨今の農業情勢を考えると今後最も重要な事だと思い知らされます。


Q 杜氏になって3年目ですが感想は?

佐藤杜氏:
特に3年目だから、という気負いはありません。
むしろ、常に1年目であると身を引き締めて、いつまでも初心を忘れずにいたいと思っています。
幸い、前任の村上杜氏、前々任の中野杜氏が優秀な人材を育て、残してくれたおかげで私が天寿の酒造りを引き継ぐ事が出来ています。
杜氏の仕事は酒造りではなく、人造りだったということはこの2年で身にしみて感じています。
むしろ、自分自身が杜氏の任を全うできるだろうかと、こちらの重圧は毎年大きく、重く感じています。


◎毎月各蔵の「この人」をピックアップして情報をお届けいたします。
お楽しみに!

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