鈴木社長:
清酒は消費者の要望や生活スタイルに合うように、様々に形態を変えてきました。
そのことが良かったのか悪かったのかは分かりませんが、時代に即して酒質が向上してきたことは間違いないと思います。
これは消費者にとっても我々にとっても、とても良かったと思います。
しかし、変えてはいけないことも変えてしまった部分もあると思います。
特定名称酒の規制強化などの消費者にとって分かりづらいことは、止める方向で議論しないとまだまだ業界に展望は開けないでしょう。
これが第一点です。
当蔵では昔から来客が多く、観光や見学に多くのお客さまが見えていました。
十年ほど前からは本格的に観光を業務の主要な柱の一つとしてきました。
お客さまがどうすれば喜んでくれるのかを一生懸命に考えますと、だんだんとお客様の気持ちが分かるようになってきました。
お客様は、酒蔵の本当の姿を見たいのです、
表面だけのきれいなところだけではなくて、「真実と触れて感動をしたい」。
酒蔵はワイン業界のように、情報を開示する努力と技術が足りないのでは。
これが第二点です。
酒蔵は伝統的な産業ですので、資産は充分にあり、販路も確立し、業界に大きな変化も無い状況だったわけです。
蔵主と社員はこの伝統的な産業の上にあぐらをかいていたのでは、と良く言われます。
決してそんなことは無いと思いますが、経営的な知識や手法の実践では、他の産業に比べてだいぶ立ち後れてしまったのではないでしょうか。
流通も含めた研修の充実を第三点としたいと思います。
今後も需要の減退は続くでしょう。
個性をキラリと光らせた酒蔵が、これから残っていくことでしょう。
私どもも懸命に努力して参ります。 |