秋田蔵元ガイド


有限会社奥田酒造店[千代緑]

奥田酒造店の歴史

延宝年間創業以来、三百有余年の歴史を誇る酒蔵、奥田酒造店は、秋田県仙北・協和地域の地酒として親しまれる「千代緑」を造り出しています。初代蔵元が、この街から望める初夏の緑美しい山々を詠った、「若葉映ゆる 四方の山々 千代緑」という俳句から銘付けられたとされています。店舗兼主屋は、戦後の日本を代表する建築家、白井晟一氏が設計。軽快で洗練された造形を有する当蔵は、国の登録有形文化財にも指定されています。

酒蔵の特徴

奥田酒造店の佇まいは、一見でシンプルでモダンな美しさを感じさせます。店舗の入口から奥へ進むと目に留まるのが貯蔵蔵。その重厚な面持ちは創業300年という本蔵の歴史の深さを感じることができます。全面板張りの麹室や蔵を支える梁、そして酒蔵全体を包む厳格な空気感に、永き歴史を刻む奥田酒造店の本懐を垣間見ることができます。「千代緑」の名の通り、緑豊かで爽やかな夏のイメージがよく似合う独特な建造物です。

奥田酒造店の酒造り

昔から変わらない「造り酒屋」を内実ともに受け継いでおり、緑茂る自然の静謐さをその味に溶かしこんでいます。その滑らかな舌触りは、奥羽山系の良質な水と、多雪寒冷な気候、そして地元の良質な米の恩恵であり、奥田酒造店の家付酵母が「やさしく、穏やかな」な味わいを引き立てると言われています。洗米から瓶詰めまですべての工程において原料と真摯に向き合いながら、奥田酒造店ならではの、ここにしかない日本酒を世に送り出しています。

個性をそのままに醸す

前杜氏が引退した後、蔵元が杜氏を務めることになり、最初の目標だったのが『原料の個性をそのままに醸す』でした。当時秋田県醸造試験場では新酵母の「こまち酵母スペシャル」が分離され、試験醸造のお酒を唎き酒した時に、この風味のお酒を造りたいと思ったのがきっかけで、それから秋田県で開発された「こまち酵母R-5」「秋田酵母№12」や蔵付分離酵母「MS3」など、酵母シリーズを発売してきました。その後は地元産の好適米「秋田酒こまち」「美山錦」「吟の精」「美郷錦」「亀の尾」を使用し、それぞれの米の個性を楽しんでいただける好適米シリーズを発売しております。

地元産で醸す

地元の若手専業農家から「自分で育てたお米で仕込んだ酒を飲みたい」と話があり、それから「秋田酒こまち」「美山錦」「吟の精」「美郷錦」を加藤弘栄さん、佐藤智治さんの二人に契約栽培をお願いしました。現在では山田錦を除く好適米のほぼ全量が地元産になっています。また、酵母は仕込蔵の天井の梁から採取した「MS3」を使用し、仕込本数の半分以上が「MS3」仕込みになりました。米・水・酵母の全てが地元協和産のお酒が今後も増える予定です。

お問い合わせ先

名称 有限会社奥田酒造店
代表 奥田重徳
所在地 〒019-2411 大仙市協和境字境113

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電話 018-892-3001
FAX 018-892-2799
ホームページ http://www.chiyomidori.com/