秋田蔵元ガイド


福禄寿酒造株式会社[一白水成]

福禄寿酒造の歴史

元禄元年(1688)、渡邊家の初代彦兵衛氏が“羽後の国、五十目村(現在の秋田県五城目町)”で酒造りを開始し、昭和28年、株式会社渡邊彦兵衛商店設立。平成16年10月より社名を福禄寿酒造株式会社へと変更。「福禄寿」は七福神のひとつで、おめでたいもののしるしとされています。一家の繁栄と健康長寿、商売繁盛を願ってその名がつけられました。創業から300有余年にのぼる歴史は、秋田の酒造史としても大変貴重な存在となっています。

酒蔵の特徴

大正10年、町の中心部約300件が被害を受けた大火事により、ほとんどの建物を焼失。難を免れた上酒蔵、下酒蔵は今もなお当時のままの姿で残っており、平成8年には全国登録有形文化財に指定されました。歴史ある蔵で伝統を守り続ける一方、作業をスピーディーに行うための最新設備を採用。特に温度・湿度管理には慎重で、特定名称酒はすべて瓶燗火入れを行い冷蔵庫で貯蔵しています。保管のレベルを上げることで、年間通して一定の酒質を提供できるよう徹底管理しています。このように、“人の手がやるべき行程では人、機械の方が早く正確に進む行程では機械”と作業の効率化を図り、蔵人一人ひとりの負担を軽減させるための工夫や設備投資も怠りません。

福禄寿酒造の酒造り

福禄寿酒造が大切にしているのは、“地域性”です。原料米は、地元の酒米研究会が大切に育てた酒米を使用。仕込み水として使用するのは、地下から湧き出る清冽な水。初代彦兵衛が酒造りをはじめて以来、この地下水で酒を醸し続けています。その水質は、酒造りには珍しいとされている硬水です。カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどを多量に含み、無色透明で舌触り爽やか。社長である渡邉康衛さんによると、「日本酒の味は水によって変わってきます。軟水は搾りたての生酒が合いますが、硬水は熟成させた方が味の乗りが良い。だから当社では生酒が少ないんです」。原料となる米や水に合った温度管理や貯蔵方法を試行錯誤しながら、目標の味に近づけているのです。

杜氏紹介 秋田山内杜氏 一関 仁氏

25歳で福禄寿の蔵人となり、酒造り歴19年・杜氏歴11年。そんな一関さんに、福禄寿の酒造りについて伺いました。
「福禄寿では蔵人の半分が地元出身。地域性を大切に、地元の米と水を使って、素材の旨みを引き出した“福禄寿らしい酒”を提供できるよう日々努力しております。寒造りにこだわり、冬期は毎日が仕込みとなるため、作業を効率化し蔵人の精神的な負担を減らしながらチームワークを大切に酒造りを行っています。近年、県外向けに販売している『一白水成』は、多くのファンの皆様に飲んでいただけるようになりました。それだけではなく、地元の皆様に愛され続けている普通酒も、よりおいしい状態でご提供できるよう日々努力しております。福禄寿の酒を飲んだお客様に、もう一度同じ酒を買って欲しい。もう一度飲んでみたいと思わせるような酒造りを、これからも続けていきたいと考えています」。

お問い合わせ先

名称 福禄寿酒造株式会社
代表 渡邉 康衛
所在地 〒018-1706 秋田県南秋田郡五城目町字下タ町48番地

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電話 018-852-4130
FAX 018-852-4132
ホームページ http://www.fukurokuju.jp/